リアルがワイヤードに刃物を突きつける毎日が続いている。だが,ワイヤードがリアルの喉元を刃を突きつける日が,いつかくる。でもそれは復讐ではない。必然としての,歴史でしかない。
BBCが3日に放映したドキュメンタリー番組によると,97年のスペースシャトル宇宙飛行時,NASAのコンピューターにハッカーが侵入。シャトルとの通信が途絶え,システムを変更して通信を行わなければならなかった。NASAはBBCの報道を否定,通信に問題はなかったとしている。
ハッカーは,宇宙飛行士たちの医学的状態をモニターしているコンピューターに介入し,医療機関との通信が妨害を受けたという(WIRED NEWSの記事)。まぁホントかどうかはちょっと疑わしいが,生命の危機にも繋がる通信が,なんらかの攻撃を受け,その結果…というのは,この先,大いにあり,得る,話だ。
例えば未来のデモクラシーや国家転覆計画などには,緊急通報装置ネットワークなどの分断が最優先の手段だ。要人のいる病院の医療機関のシステムに高負荷を与えたら…。政府組織や国連機関などの議論の場がネットワーク上に移ったとき,そこを一網打尽に撃滅させる攻撃が起きたら…。ワイヤードが,リアルの喉元に突きつける,すでに動脈色の刃。最後の一突きが,悲鳴もなく振り落とされる。
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